A-View:TEEに死角なし
一般に,遠位上行大動脈から一部弓部分枝にかけてはTEEにとってblind zoneとされています.
広島大の渡橋先生は,工夫すればほとんどblind zoneはなくなるとおっしゃっていますが,やはりそこは,someone's landあるいは「神の手」の領域といえましょう.
この部位がblind zoneとなるのは,皆さんご承知の通り,気管や気管支が食道と大動脈の間に入ってくるからです.最近,この問題点を解決する器具が商品化されたようです.
"A-View (aortic view) method" (Cordatec社,ベルギー)という器具がそれです.
これは,簡単に言うと気管内にバルーンカテーテルを挿入し,気管分岐部付近でバルーンを生食で膨らませてecho windowを確保するというものです.報告によると,従来のTEEで9.8%しか確認できなかった遠位上行大動脈を,A-Viewを利用すると100%で確認できたとしています.合併症としては,カテーテル先端による気道粘膜の損傷や,バルーンの過膨張による気管裂傷,バルーン破裂による生食の肺への流入などがありますが,これまで重大な問題は発生していないようです.位置決めに少し注意が必要なようですが,atheromaや解離の評価に威力を発揮しそうですね.既にアメリカやEUでの承認はとれているようです.
外科医がepiaortic echoをやればいいじゃないか,という意見はもっともですが,現実的にはなかなか施行率が上がらないので,このような商品が出てきたということでしょう.理由としては,時間がかかり面倒くさい,触診でわかる (!) などと考える外科医が多いと述べられています.
気管内にバルーンカテーテルを入れて,echo windowを確保する方法は試された方がいらっしゃるのではないかと思います.手作りのバルーンカテーテルを作成した報告もあります.
日本でも,ある麻酔科の先生とメーカーが,同様の製品の特許を取っていらっしゃるようですが,実用化は進んでいるのでしょうか?
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