L waveについて
最近気になっているものシリーズ
時々文献で目にするこの言葉,"L wave".
"Triphasic mitral inflow", "Middiastolic flow"などとも呼ばれているらしい.
・拡張中期に見られる,経僧帽弁左室流入波形のひとつ
・M-mode, Doppler, tissue Dopplerで認められる
・L-waveの名称の由来は、肺静脈波形の収縮期血流波,拡張期血流波がそれぞれ,J-wave, K-waveと呼ばれ,それに続く波ということで,L-waveとなった.
・Computer modelによると,左房の充満圧が上昇していなくても,病的に減少した左室の能動的拡張能が左室の増加したstiffnessとともに拡張期の左房-左室圧較差の振動を起こす.これが,L-waveとなって拡張停止中に左房から左室への血流として感知される.
ということです.
特徴をまとめると,
1. L-waveはかなり見落とされている所見
2. L-waveは健常人が徐脈傾向のときも見られる
3. 病的なL-waveは能動的拡張が遅延し、左室のstiffnessが増加した患者で見られる.エコーラボではしばしば,臨床的な心不全や収縮機能正常な左室肥大,左室収縮機能不全患者で見られる.
4. 病的なL-waveは左室前負荷の上昇 (pseudonormalization) を示唆する.
5. 病的なL-waveは将来の心不全による入院を予測する点で価値がある.
The Mitral L-Wave: A Relatively Common but Ignored Useful Finding
ASEの
Recommendations for the evaluation of left ventricular diastolic function by echocardiography (2009)
にも以下のような記載があります.
「Middiastolic flowは認識すべき重要なシグナルである.低速度のものは正常人でも見られるが,≧20cm/sの速度のものは,しばしば重度の左室拡張の遅延や左室充満圧の上昇を意味する」
と記載されております.
うーん,JB-POTにも出るかも(てきとーなひとりごとですから,念のため).
| 固定リンク
「情報」カテゴリの記事
- TEE関連文献 Sep. 2009(2009.10.12)
- 2009 ESC 非心臓手術の周術期循環管理ガイドライン(2009.09.27)
- 血管手術前のスタチン投与で術後の心筋梗塞が減少 DECREASE III Trial(2009.09.27)
- ESC guidelines on infective endocarditis 2009(2009.09.12)
- SYNTAX Trial 2年目の結果(2009.09.05)


コメント