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2013年6月

A&A ブログ OpenAnesthesia の TEE of the Month 7月は僧帽弁狭窄症


TEE of the Month July 2013

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ボストンマラソンの爆弾テロは,幸運な時と場所に起こった

麻酔科医の見た惨劇

・5カ所の世界的な外傷センターから2マイル以内の位置
・4月という温暖な気候
・午後3時のシフト交代時刻で多くの救急職員が病院にいた
・休日で定時手術が少なく,手術室が空いていた
・現場に救急要員が数多くいた
・頭部,心臓,胸部、腹部の外傷が少なかった(下肢の外傷が多かった.その他顔,上肢の熱傷)

それでも病院は混乱していて,
・携帯電話は使用できなかった
・電子カルテも入力している余裕はなかった
・患者の胸部にサインペンで最小限の情報を書き込んであるのがとても役に立った
・同意文書等取る余裕はなかった
・疼痛管理が重要だった
・患者は驚くほど冷静だったとあるが,ボストンという土地柄のせいか?
アメリカでは経験したことがないタイプの災害医療だったようです.

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ESC/ESA 非心臓手術のための術前心リスク評価と周術期管理ガイドライン

ヨーロッパ麻酔科学会とヨーロッパ心臓学会による非心臓手術のための術前心リスク評価と周術期管理ガイドライン

Guidelines for pre-operative cardiac risk assessment and perioperative cardiac management in non-cardiac surgery: The Task Force for Preoperative Cardiac Risk Assessment and Perioperative Cardiac Management in Non-cardiac Surgery of the European Society of Cardiology (ESC) and endorsed by the European Society of Anaesthesiology (ESA)

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週末はだめよ!?手術の曜日によって異なる手術死亡率

英国での手術施行曜日による手術死亡率についての報告.
月曜日を基準とすると,週末に向かうにつれ危険率が増加するという報告.
原因ははっきりしない.

疲れがたまってくるのか?週末の計画で気もそぞろになるから?


Odds ratio
月 1
火 1.07
水 1.15
木 1.21
金 1.44
土日 1.82


Day of week of procedure and 30 day mortality for elective surgery: retrospective analysis of hospital episode statistics


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飛行中の救急症例についての興味深い研究

・発生率:1/604フライト
・多い症状は失神 37.4%,呼吸器系 12.1%,消化器系 9.5%
・医療関係者が関与するのは 48.1%,飛行計画の変更は 7.3% に発生
・25.8% が病院に運ばれ, 8.6% が入院, 0.3% が死亡
・入院に関与する症状は,脳卒中 (odds ratio, 3.36; 95%
confidence interval [CI], 1.88 to 6.03), 呼吸器系 (odds ratio, 2.13; 95% CI, 1.48 to 3.06), and 心臓 (odds ratio, 1.95; 95% CI, 1.37 to 2.77)

年に数回しか飛行機に乗らない場合は,遭遇する確率はかなり低いなー.

Outcomes of Medical Emergencies on Commercial Airline Flights

こんな解説ビデオも付いてました.この分かりやすい数字の見せ方はすごい!
Infographics を上手に使っていますね.
しかし,こんな手の込んだビデオを作ってしまう NEJM はすごい!どのくらいの人手と時間がかかっているのだろうとビデオをしょっちゅう編集している身としては気になる.

http://www.nejm.org/action/showMediaPlayer?doi=10.1056%2FNEJMoa1212052&aid=NEJMoa1212052_attach_1

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最近のTAVR valve に術後1年成績に関しての報告

1. Medtronic社のTAVR valve CoreValve の術後1年成績 (ADVANCE registry) はほぼ予測通りの成績

費用効果は需要範囲内と思われるが,日本ではどうなるのでしょう?

・高手術リスク群の心血管系合併症の生存率:883%,全生存率:82.1% (76.4%-88.9%)
・Stroke free は95.5%
・重度のparavalvular leak はなく,中等度 PV は13%
・TAVR の生涯コストは£32 000, 内科的治療では £2343
・TAVR により獲得される余命は4.22 yr vs 内科的治療1.56 yr
・QALY (quality adjusted life year) は £11 265. 高リスク群では £13 778

ADVANCE one-year data reassuring on mild PV leaks with CoreValve


2. ヨーロッパの17ヶ国,93施設で2166名を対象に行なわれた SOURCE XT trial で,新世代 TAVR valveである Sapen XT valve (Edwards Lifesciences) が良好な術後1年成績.

・アクセス経路は大腿動脈 62.7%, 心尖部 33.3%, 大動脈 3.7%, 鎖骨下動脈 0.3%
・生存率は大腿動脈 85%, 心尖部 72.8%, 大動脈 73.9%(これは発表者が心尖部アクセス擁護者で以外だったらしい.合併症のため大腿動脈しか選択できなかったようです)
・中等度以上の Paravalvular leakage は 6.2%

世界はわれわれを置き去りに進んでいます.

SOURCE XT one-year numbers may be best TAVR survival data so far






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