TEEセミナーをインターネット配信する
TEE セミナーをインターネット配信する機会がありました.
会場は200名くらいの規模の看護学校の講堂で階段教室になっています.プロジェクターが2台天井にしつらえてあって,スクリーンも2面使えます.1面にスライド,もう1面に twitter のタイムラインを映すことにしました.
インターネットの LAN がきていますが,速度を測ると下り 300 kbps - 1.5 Mbps,上り150 kbps - 1 Mbps と思いの外低速で不安定でした.おまけに高解像度の配信に用いる FMLE (Flash Media Live Encorder)というソフトがサーバーに接続できません.施設内部のサーバーでなんらかのフィルターがかけられているようです.しかたがないので個人所有の e-mobile WiFi を借りて使うことにしました.速度は同じくらいですが,FMLE が使用可能となりました.
機器の設定は下図の通りです.
パソコンは配信用,スライド用,テロップ兼配信確認用, twitter タイムライン用の4台.
スライド用のパソコンの映像をプロジェクターとビデオミキサー (VR-5) に分配し,明瞭なスライドが映るようにしました.ビデオカメラは1台を司会・演者用,1台を全景用に配置.
マイクは音声が会場の PA(音響)からとれなかったので,会場用のワイヤレスマイクとは別にタイピン型の有線マイクを3台準備しました.マイク音声は台数が多いのでいったん音声ミキサーを通して,VR-5に接続しました.他に BGM 用に iPad を直接 VR-5に接続.
VR-5では指で画面をタッチするだけで映像ソースを選択することができて,簡単に画像をスイッチできます.他に P in P(小さな画面を同時に表示)したり,2つに画面を分割表示したり,パソコンから入力した画面をテロップとして用いることができます.また配信する前の画像を高画質で記録しておくことができます.
機材のうち VR-5は価格40万と高価なのでレンタル,他マイク,ケーブル類やネットの HUB,映像分配器,映像セレクターは購入してもらいました.初期費用は多少かかりましたが,後は繰り返してもほとんど投資はいらないでしょう.パソコン,音声ミキサー,コネクター類は私物を使用.
配信スタッフはミキサー操作,カメラマン,タイムライン担当で3名.
FMLE の配信設定は,画像 Format VP6, 350 kbps, 15 frames/sec,入出力画像サイズ 640 x 480, 音声 Format Mp3, Stereo, Sample Rate 22050 Hz, Bit Rate 48 kbps.本番前にテスト配信し,あらかじめ頼んであったスタッフに配信された画像の質,音量等を twitter で報告してもらい設定しました.
3時間30分におよぶ配信はおおむねうまくいきました.もやもやエコーなどの TEE ビデオの細部もうまく再現でき,スライドも明瞭に表示されました.途中,スライド画面が映らなくなったり,音声が途絶えたりするトラブルがありましたが,ビデオカメラでスクリーンを映したり,会場音を拾ったりして対処することができました.
投票機能・twitter を用いた Q&A を企画しましたが,配信のタイムラグが大きく,投票する時間をゆっくりとることができなかったようですね.質問数を少なくしてゆっくり投票を待つようにする必要があるようです.視聴者が twitter になれていないという面もあったかもしれません.
今回の機材は TEE ビデオをある程度きれいに見ることができるようにしたため大掛かりな方ですが,パソコン1台,マイク1台,カメラ1台でもできないことはありません.
大事な配信を行なうための要点をまとめると,
・会場を下見して,カメラ,マイク,配信席をどこにするか決める
・電源の所在と距離を把握する
・音を会場の PA からラインでとれるか確認する
・会場のインターネット環境を綿密にチェックする(曜日,時間帯によって条件が大きく変わることがある)
・インターネット環境に応じた方法を選択する(配信にはいくつかのやり方がありますし,必要な画質やコマ落ちしない設定が必要です)
・実際の設定で配信してみて,どのような状態で受信できるか確認する
・Ustream配信にトラブルはつきものなので,できれば画像や音に問題が生じた時に別の方法で補えるようにしておく(サーバー側に問題が起きるとお手上げですが)
・実況配信が失敗した時のために別の記録媒体(ビデオテープ,カード,ハードディスクなど)に記録が残るようにしておく
ということでしょうか.
顔と顔を突き合わせてイベントを行うのも大切なことですが,インターネット配信も遠方の仲間と知を共有する手段としてとても有用だと思います.
学生時代放送委員会でがんばったあなた,昔を思い出してチャレンジしてみてはいかが?
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